地域で暮らすどの子も 健やかな成長を

乳児院で育つ子どもたち

虐待や経済的理由など、家庭のさまざまな事情により、保護者の元で暮らす事ができない子どもたちが増えています。そのような子どもたちを公的に養育するのが乳児院や児童養護施設です。社会的養育が必要な子どもたちは全国で約4万2千人といわれ、川崎市では400人近くいます。

神奈川ネットワーク運動あさおでは、里親啓発イベントの映画上映会に参加、乳児院や、里親について啓発と支援をしている事業者を訪問し、実情を伺いました。

乳児院は川崎市に2カ所あり新生児から概ね2歳までの子どもたちを24時間体制で養育します。入所の理由として、DVによる児童相談所からの連絡が一番多く、母親のうつや精神障害、若年層の予期せぬ妊娠などです。2歳から18歳までは児童養護施設で養育されます。

国では里親制度を推進

2016年の児童福祉法改正以降、家庭養育推進の原則に基づく里親委託を推進しています。里親制度には、実子として迎える「養子縁組里親」以外に、週末や夏休みなど一定期間家庭に迎える「養育里親」、祖父母などの親族が養育する「親族里親」などがあります。日本では、保護の必要な児童の8割強は施設で育てられており、里親委託児童の割合は僅か15%。欧米では子どもの発達と福祉向上のためには家庭養育が重要として,オーストラリアで90%、米国・英国で70%、韓国では40%と、里親委託が進んでいます。

この世に生を受けた子どもたちはみな安全で愛情に満ちた環境で育つ権利があります。なにより必要なのは里親制度を地域に広め、一人でも多くの方が里親制度に関心をもち、様々な課題を抱える子どもたちへの理解を深めることです。充実した子育て環境を整えるための施策を川崎市へ提案する活動をしていきます。