教科書採択審議 教育委員会を傍聴しました

 8月16日(日)10時より、高津区にある川崎市総合教育センターにて、平成28年度より採用される、川崎市立小中高特別学級のすべての教科書の審議が行われました。

 中学歴史、公民の教科書のなかで、「先の戦争は、アジアの国の独立に勇気をあたえた」「国民として義務と責任を強調し国家に奉仕することが国民主権」「天皇は日本国を代表するなど天皇に関する記述が多い」など、憲法に定められた「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の原則が正確に書かれていない教科書があります。横浜市、藤沢市、大阪市などでは、このような偏向した教科書が採択されており、川崎市でも市民団体が傍聴をよびかけ、この日は、180人の傍聴席を上回る230 人余りがおしかけ、9時から抽選となりました。抽選にもれた私は、ロビーで放送を聞くことができ、6人の教育委員が、一人ひとり意見をのべ、歴史、公民ともに、教育出版が選ばれほっとしました。

 横浜市では、どの委員がどの教科書を選んだか公開されず、選定のプロセスが大変不透明です。川崎市では、現場の各学校に調査依頼され、その意見が反映されての、委員会審議とのこと。公開度、民主度は全国でもよいとのことですが、教育委員は市長の任命で、委員が交代すれば審議の方向はちがってしまいます。

 この日は、教育委員会の職員も多くの市民が参加することを予想してかかなり動員され、暑い中早朝から200人以上の人が集まったことは、市民の関心が高いことが示されました。今後も、未来を担う子どもたちが憲法や立憲主義を正しく学べるような環境を整えることが、大人の義務であり、広く伝えることがネットの使命と考えます。

抽選で並ぶ 傍聴の人々