災害に強いまちづくり -想定外の想定をー
災害に強いまちづくり ー想定外の想定をー
東日本大震災から2年。マグニチュード9という巨大地震から得た教訓を私たちは生かしているでしょうか。麻生区の近くには、立川断層が走り、いつ大地震が来てもおかしくない状態にあります。
活断層など地震を起こすメカニズムはまだまだわからないことが多いものの、日本が地震の活動期に入っていることは明らかです。川崎市が25年4月に発表した被害想定では、川崎市直下の地震M7.3、麻生区では震度6強から6弱建物の全壊数や死亡、負傷者の数などが具体的に示されています。市民の必要な備蓄は3日とされていますが、東日本大震災では、水道などライフラインの復帰に1カ月かかっており、少なくとも7日の備蓄は必要ではないでしょうか。首都圏に直下型の地震が起きた場合を予測した構えとしては、被害想定や、市の広報、市民への啓蒙は十分なのか疑問が残ります。
麻生区の新百合ヶ丘自治会は、「最悪の事態を想定し自分たちで備える」ことを前提に自主防災に取り組んでいます。立川断層帯地震、多摩直下型地震を被害想定とし、自治会内にある5カ所の公園には自治会費でそれぞれ防災倉庫が設置され、消防車に頼らずいつでも消火ができるよう、道路にある消火栓をあけてホースをつなぎ、地域住民が消火できるよう設備を整えています。夏祭り、もちつき大会などの行事も防災のためのコミュニティづくりの一環と位置づけられ活発に行われています。又、2012年度川崎市総合防災訓練会場になったはるひ野自治会では、地震発生による停電を想定し、日没後に投光機による明りの元、避難所開設から運営の訓練を行い、多く住民の参加があったとのことです。
首都直下型地震は今後30年で70%の確率でマグニチュード7の地震が起こると言われている今、市民が地域を自治する力をつけ、災害に強いまちづくりをすすめることが大切です。