私たちは気候変動にどう立ち向かうのか
環境分野のノーベル賞といわれるゴールドマン環境賞を受賞した環境NPO「気候ネットワーク」理事 平田仁子さんの講演会が麻生区役所会議室で行われました。
今、地球の温度は1.1℃上がっています。すでに50年に一度の熱波が4倍の頻度で起こっており、1.2℃~1.4℃上がっても危険な状態で、2030年には1.5℃に抑えるという目標は何としても達成せねばなりません。
COP26では、気温上昇を1.5℃に抑えることが共通目標とされ、2030年までに石炭火力発電を減らしていくと確認されました。日本では、現在167基の石炭火力発電所が稼働し、8期の建設計画があります。その中で、2基が横須賀に建設予定で、1基60万kw、2基合わせて160万世帯分のCO₂が出ます。日本が排出するCO₂の4分の1が石炭火力発電とのことです。石炭火力削減に対する日本の評価は、OECD,EU合わせた先進国43ヵ国中最下位です。
日本で石炭火力発電が廃止の方向に向かないのはなぜでしょうか。国、電力会社などのエネルギー産業、商社、金融機関が互いに支えあって化石燃料を基盤とした構造を守っているのです。火力発電に水素やアンモニアを混焼する事業でカーボンリサイクルの研究開発を推進しているとしていますが、対策効果はないに等しいと平田さんは言います。石炭火力発電について、神奈川県の問題として、もっと市民が声をあげなければなりません。
市民が動くことによって、自治体のエネルギー政策を動かすことができる、住宅建築部門でも、新築建物に省エネを義務化する、既存住宅の断熱政策の遅れているとのことで、自治体で条例化することができるとのこと。
家庭でも脱炭素の生活に転換することはまだまだできるはずです。省エネ というと暑いのをがまんしてクーラーの温度をさげる というイメージが浮かびますが、エネルギー転換をし快適な生活を続けながら電力消費を抑えることができるはずです。
地域で市民の意思ある活動で社会を変えていかれることを、次世代の若者、子どもたちに身をもって示し、地球温暖化にストップをかける政策提案を提案していきます。