中学校 道徳教科書は
2019年4月から、全国の中学校で道徳が教科となります。各自治体の教育委員会が教科書を採択にさきがけて見本本の展示が行われ、麻生市民館ギャラリーで8社の教科書を閲覧しました。文部科学省が定めた22の「道徳の内容項目」を子どもたちに身につけさせるために書かれたものが多く、「きまりを守る」「礼儀を教える」、日本の文化伝統や愛国心を学ばせる、自分を抑え集団に尽くし従うことを教える話、有名スポーツ選手が国旗に起立を促す記述などもあり、戦前の教育を思わせる内容の教科書が見られます。太平洋戦争について「現地の人たちのために尽くした」など特異な歴史観に基づくエピソードのもあり、戦争の記憶が風化していく中、いかに多くの人命が失われ、人権がないがしろにされたかを次世代に伝えることこそ今大切なのではないでしょうか。3~5段階で自己評価させることで価値観を押し付け、思春期の中学生の心の成長を促す学習となるのか大変疑問です。
社会全体で「道徳」の在り方を真剣に考えなければなりません。