移動支援を実施 金井原苑
麻生区にある社会福祉法人一廣会 金井原苑は、特別養護老人ホーム、デイサービス、地域包括支援センター、ショートステイなどの事業を展開しています。年間ボランティアがのべ4200人という地域密着型が特徴で、特別養護老人ホームも入居者2人に職員1人という体制で手厚い福祉サービスを行っています。
社会福祉法等の改正で、来年4月から社会福祉法人に社会貢献活動が義務づけられます。その先駆的事例として、デイサービスに使っている福祉車両を、空いた時間に地域に還元するという活動について、県下の神奈川ネットメンバー18人で訪問し、依田明子苑長にお話を伺いました。
現在、片平おしゃべり会、百合丘のももとせの会、サロン・ド・それいゆ の送迎を行っています。運転ボランティアさんは10人おり、それぞれのサロンと提携して、ローテーションを組んで送迎を実施、2010年開始からのべ1316人の方たちを送迎したことになるとのことです。
金井原苑では、ボランティアの事業への参加が欠かせない、とのことで、当初1000人ほどだったが、専任のコーディネーターを置くようになって、2500人へ、現在は4200人という大勢の地域の力が結集しています。
坂道の多い麻生区では、移動の問題は大きく、今後他の福祉法人にも声をかけて拡げていきたいとのことでした。
今後介護保険はますます狭められ、福祉事業に対して、施設の建て替えなども課題とされ、お金のある施設ほど、人件費を削って手厚いケアがなされていないのでは、とのこと。地域密着型の、ワーカーズコレクティブに通じる金井原苑の実践は参考になりました。人手不足もますます深刻化するなかで、どのように地域包括ケアシステムを進めるか、私たち一人一人が真剣に考え、取り組まねばならないとの意を新たにしました。