若者の就労支援は
神奈川ネット・あさおがオブザーバーとして参加している、かわさき北コミュニティオプティマム福祉マネージメントユニット会議評議会が行われ、記念講演として、NPO法人フェアスタートサポート 代表永岡鉄平さんがお話をされました。 かわさき北ユニットとは、麻生区、多摩区のワーカーズコレクティブ、生活クラブ生活協同組合が連携して地域の福祉について各々の活動から情報交換し、川崎市への政策提言などを行っているものです。
NPO法人フェアスタートサポートは、神奈川ネットワーク運動の市民社会チャレンジ基金の助成団体であり、2013年に設立。児童養護施設などを卒業した若者が、働く場をみつけ、社会人として成長していくことを目的にしています。児童養護施設の子どもたちは、18歳になり高校卒業時に施設を出なければなりません。8割の子が就職、1~2割の子が専門学校にいくとのことですが、3年以内に離職する率が大変高く、従業員5人未満の企業では66.6%、従業員30人~90人の企業でも47.4%とのことです。
仕事が合わない、職場の人間関係などが主な理由ですが、就職活動の時点で、就労時間を考慮にいれず給料が高い、寮付きなど安易な選び方をしてしまっている、という現実があります。長岡さんは、養護施設の子どもたちは、働くことにしっかり向き合いやる気がある、アルバイト経験が豊富、企業側も最近生まれや学歴などにこだわらず、やる気のある若者を求める傾向にあることなどから、「もったいない」子どもたちが就職先を自分の意思で自己決定するよう、入所中から退所後まで一貫した就労支援を行っています。
一方、施設出身者を支援する優良な中小企業のサイトをひらき、良い企業と若者を結び付ける事業もはじめています。
児童養護施設をでた子どもたちの、非正規効用状態以下の割合は70%、生活保護受給率は10%とのことです。これから、ますます高齢化は進み、15歳~64歳の生産人口が減る一方の日本社会で、若者の就労は必要不可欠です。
麻生区では、白山小学校跡地に川崎市北部にはじめて児童養護施設「白山愛児園」が26年3月に開設されました。又、平成25 年3月「川崎市児童家庭支援・児童虐待対策基本方針」が出され、平成25 年度から平成29 年度までの5年間の事業推進計画が策定されています。
明日を担う子どもたちが健やかに育つよう、事業計画が実行されているか、又、地域の児童施設や、施設の子どもたちを地域の市民が温かい目で見守り、支援する意識が必要不可欠です。