地域包括ケアシステム
2025年には、団塊の世代が75歳の後期高齢者となり、神奈川県では、2010年に79.4万人だったものが、148.5万人と1.87倍になります。世界でも類のない超スピードで高齢化に向かうわが国で、厚生労働省の推進する地域包括ケアシステムを実現させるにはどうしたらよいのでしょうか。麻生区にある配食サービスのNPO法人ワーカーズコレクティブあいあいの20周年記念講演会で、そのヒントをいただきました。
講師は、社会福祉法人川崎聖風福祉会 中澤伸氏。鹿児島県など高齢化が進んでいる地域に、支え合いが進んでいる先進事例があり、地域住民の、「ひとごとでない」という危機意識が欠かせない とのことです。鹿児島県霧島市では高齢化が進み、一人暮らしが増え、65歳になると研修を受けボランティアとなって支え合いのシステムを作っているとのこと。奄美大島の龍郷町では、自助・互助・共助にかかわる人の連携をはかり、結果、介護給付費が1400万円減少したとのこと。
専門家だけがやってもだめ、地域で何が起きているのかの体感をもとに、市民が本気になることが大事、とのお話には、ネットがかねてより提唱し、実践している現場主義と、ワーカーズコレクティブなど地域市民の実践をもとに政策提案する ことと合致するお話でした。
これからの超高齢社会に向かうためには、「今何が起きているか、これから何が起ころうとしているか」を市民に伝え、危機感を共有化することがネットのもつ使命と再認識しました。