09年の全国の15歳未満の子どもの数は、前年度より11万人少ない1714万人。28年間減少し続け過去最低となりました。全人口における割合でも1990年21.5%であったのに比べ、13.4%へと落ち込み、少子化が一層進んでいます。
新政権でも「子ども手当」などの政策を打ち出していますが、働きたくても預けるところがないという待機児童の問題や、少しだけ自分の時間がほしいというレスパイトなどのニーズに対する具体的な方策は示されていません。
<高い一時保育の潜在ニーズ>
ネットあさおでは、様々なニーズが集束している一時保育に焦点をあて、区内保育施設への調査を行いました。
麻生区では、施設の広さや保育士数など児童福祉法の基準を満たし国や市から補助されている認可保育園が12園あります。しかし、スペースなどの課題から一時保育を実施しているのは民間運営の4園しかなく、一時保育の待機児童が出る状況になっています。また、認可外保育園にも一時保育の問い合わせがあるなど、潜在ニーズは高いことが調査から見えてきました。利用料についても、認可保育園では1日3歳未満2300円、3歳以上1200円であるのに対し、認可外の保育園では1時間600〜950円と保護者の負担の格差が生じています。
<浮き彫りになった課題>
一時保育を利用しているのは3歳以下が90%と低年齢児が占め、主な理由の項では、仕事のため53.5%、仕事を探すため11.5%、リフレッシュや用事のため35%という結果でした。電話による子育て相談も多く、新興住宅地が多い麻生区の中で、乳幼児と内に閉じこもっているなど不安定な状況の中で子育てに悩んでいる状況が見えます。また、1歳からの認可保育園の入所が難しいことから、産休を全期間取らず0歳から入園するケースもあるなど保護者の意思に反した子育てをせざるを得ない現状も浮き彫りになりました。
<自分らしく働き、子育てする支援策を>
東京杉並区では、就学前児童に「子育て応援券」が出され、「ひととき保育(一時保育)」や有料の子育て支援サービスなど、子育てに限定し利用できる制度があり、上の子どものPTA活動や保護者の通院など様々なニーズに利用されています。
親の就労の有無だけでなく、短時間労働や、緊急時・レスパイトなどにも対応できる一時保育を積極的に進め、自分らしく働き、暮らすことができるワークライフバランスを実現する子育て支援の政策提案を進めていきます
*調査報告書が必要な方は、ネットあさおまでお申し込みください。