すべての子どもを社会全体で育む 白山愛児園をたずねて

王禅寺中学校跡地に、特別養護老人ホーム「ラスール麻生」と児童養護施設「白山愛児園」ができたのが、2014年4月、今から11年前になります。それまでは、川崎市内では足りず、他県の養護施設を利用していたのを、地元の反対運動を乗り越え、やっと建てられました。

2歳から18歳まで24人が縦割りで6人のユニットを形成し、職員が24時間体制で、食事づくりなど一緒に生活しています。それぞれに個室があり、お稽古事なども希望にそってでき、子どもたちはのびのび生活できる環境にあります。他に分園型ホーム、市域小規模児童養護施設2か所があり、最大42人が利用できます。

一番気になるのは、18歳で養護施設を卒業し、自立できるかということです。18歳で自立できない場合は20歳まで延長でき、卒業後は担当者をあてその子に沿った自立のプログラムを組み立てるとのこと。普通の高校卒の子どもにくらべ、大学専門学校への進学率より、就職率が高いとのことですが、卒業後の支援も以前より手厚くなっているようでした。

施設長のお話で強調されていたのが、地域との連携でした。職員もできるだけ地域にでていって、子どもたちとのつながりを持とうという努力をされています。私たち地域に住むものも、養護施設のことを知り、養護施設の子に偏見をもたず分け隔てなく見守り、どの子もすくすくと育ってほしいという思いをもつことが大切です。ネットとして、養護施設の存在を広め、すべての子どもを社会全体で育てるという意識を広めていきます。