ペットボトルをペットボトルに再生
ペットボトルは、1977年にしょうゆの容器として初めて使用され、2000年に入り、500mlの飲料用ボトルが解禁されてからは、生産量は爆発的に増えています。川崎市でも、ペットボトルが資源として収集されるようになりましたが、どのように再生されているかは市民には見えずらくなっています。
川崎ブロックネットでたちあげた、廃棄物プロジェクトで、ペットボトルをペットボトルに再生する工場を見学しました。川崎駅からバスで20分ほどの、扇町にあるペットリファインテクノロジー(株)は、ケミカルリサイクルによるペットボトル再生工場です。自治体や、コンビニの横にあるペットボトルの投入口より収集されたペットボトルはいったん立方体に圧縮され、この工場でペット樹脂になり、お隣の東洋製罐でペットボトルに成形されます。
ペットボトル再生の方法は、ほかにマテリアルリサイクル、メカニカルリサイクルとありますが、マテリアルリサイクルは繊維、車のシート、成形品などになり、この方式がペットボトル再生の95%を占め、それで終わり、ワンウェイです。また、メカニカルリサイクルは、石油からできるペットボトル原料と、ブレンドされ再生されます。100%ペットボトルからペットボトル再生されるのは、ケミカルリサイクルで、その技術を持っているのは、ここペットリファインテクノロジーだけとのことです。
ここに運ばれるペットボトルをつぶしただけの収集品には、ランクがあります。各自治体で集められたものは、キャップ、ビニールの帯がとれているか、中身が洗ってあるかなどで、きれいさが違いますが、川崎市は残念ながらランクはB。藤沢市、東京都足立区などは、自治体としてきれいに集められ、ランクはAとのこと。横浜市は、ペットボトル、びん、カンが混合収集なのでかなり汚れているとのことで、川崎市は、ペット、カンが混合、びんは別なのでまだいいものの、市民の意識の向上が必要です。
ペットリファインテクノロジーの経営については、容器包装リサイクル法の入札制度に左右され、中国への輸出価格の変動に左右され、価格が不安定なこと。せっかくの技術も生かされにくく、市民がすぐに手に入るほどの競争力がありません。
ネットでは、自治体収集をすすめ、きれいに排出するルールを徹底されるとともに、事業系ペットの集め方、容器包装リサイクル法との関連にも注目していかねばならないと再認識しました。