「これからの地域福祉は市民力で」 

来年4月から介護保険制度が大きく見直されます。「要支援」認定者への保険給付を廃止、「新しい地域支援事業」として市町村事業に移管するという方針が出されました。要支援105万人の利用者のうち85%が通所、訪問介護を利用しており、今後はこの方たちが市町村事業へ移ることになります。認知症高齢者も急増することが予想され、世界でも類を見ないスピードで超高齢化社会に向かう日本で、高齢者対策は急務です。 

9月28日、特定非営利活動法人W.Coグループとも設立25周年記念講演が新百百丘21ホールで開催され、公益財団法人さわやか福祉財団会長・弁護士等、勢力的に活動されている堀田力氏の講演「これからの地域福祉を考える」にヒントが提示されました。 

日本の医療保険制度は世界に先駆け一番であり、介護保険制度は未完成ではあるが安心を創出したもので、家事介護サービスが介護保険で受けられるのは日本だけだそうです。しかし、介護保険制度にも翳りがではじめ、手直しをしながら来たが、金銭的に疲弊してきている。現在、介護保険料は3,000円~5,000円くらいだが、2025年には8,000円を超え、10,000円になるかもしれないとのことです。

「要支援」を廃止し市町村事業に移管するという方針については、樋口恵子氏が属している社会保障国民会議において介護の専門分野が担う部分の要支援の続行が決定され、3年間で地域の助けあい(通所、訪問介護、生活支援など)の仕組み作りをしていき、ガイドラインも作成されています。今迄、行政でしてきた部分を市民力でと話されました。 

「市民力」をどのように創り出していくのか?地域にはやれる能力や時間のある人たちがいて普通に暮らしているが、こういった暮らし方は恥ずかしいという文化、学ぶ文化、働く文化を構築していくことが必要だと話されました。現NPO数は公益法人数を抜く勢いであり、地域市民の集会や趣味の会などいろいろの活動から、助けあいの活動へと参加していくことが「市民力」に繋がっていくと話されました。 

この日の主催者特定非営利活動法人W.Coグループともをはじめとして、生活クラブ運動グループでは、ワーカーズコレクティブによる、地域最適福祉を地域に広げてきました。

ネット・あさおでは、これからも、地域のさまざまな人的資源を発掘し、「市民力創出」の為に地域と連携し、誰もが安心して暮らせるまちづくりをめざし活動をすすめていきます。