神奈川ネットワーク運動は、12年で受給資格があり、公的年金とダブルで税金の恩恵がある特権的な議員年金制度廃止の運動を、1999年より進めてきました。06年には国会議員年金は廃止されましたが、地方議員年金は掛け金アップや自治体からの補助金を増額することで維持してきました。しかし、公費負担を増額したにも関わらず、市町村合併で年金受給者(元議員)が大幅に増えたこともあり、2012年には破綻することが明らかになっています。
<存続には多額の税金投入が>
このような状況に、総務省の議員年金制度検討委員会から、給付額のカットや掛け金の引き上げ、また廃止も含めた見直し案が示されました。これに対し、全国市議会議長会は、「給付・掛け金はそのままで、さらに公費負担金を倍増して制度を存続する。仮に廃止するときは掛け金総額の80%を一時金として支給する」という案を出しました。08年度の自治体の負担額は総額248億円でしたが、今回の議長会案では460億円と急増することになります。
<議論もなく、存続の意見書提出?>
全国市議議長会案をもとに、関東市議議長会からは各県議長会に意見をまとめる要請が出されました。しかし、神奈川県市議会議長会は、11月25日に急遽、臨時事務局長会議を開催し、27日には制度継続を求めるという意見書を出してしまいました。当事者である議員間で議論が行われることなく、意見書が出されてしまったことは大きな問題です。
<今こそ、地方議会議員年金の廃止を!>
「国民年金では生活できない」議員年金存続を主張する議員から、このような発言があったとか。生活できない年金額を市民に強いる一方、さらに多額な税金を投入して既得権益を守ろうとする姿は、市民感覚から大きくかけ離れています。今こそ地方議会議員年金を廃止し、社会保障制度の一本化に向けた制度改革を進めていくことが必要です。