川崎市の平和教育は

 川崎市立小・中学校の平和教育はどうなっているのか調査しました。川崎市教育委員会にカリキュラムセンターという部署があり、各教科ごとに教師への指導助言、研修、調査研究などをおこなっています。社会科について、高津区にある「川崎市総合教育センター」内のカリキュラムセンターの指導主事、担当課長にお話をうかがいました。

 小学校では6年生の歴史で10時間、戦争について7~10時間程度行っているとのこと。カリキュラムセンターの社会科研究会で事例、資料などを作成し、各校で実施されているとのことでした。小学生は副読本「かわさき」が3年生~6年生で使われており、川崎市での空襲、旧陸軍の兵器開発研究所であった登戸研究所などについて、描かれています。

 中学校では、公民、歴史の授業があり、使用される教科書が4年に1回選定される今年の教科書選定で、従来の教育出版が選ばれました。川崎市では、教科書選定審議会で各学校の先生へ教科書についての調査が行われ、結果が教育委員に報告され、現場の声が伝わっているとのこと。自治体によっては、偏向した教科書が採用されることもあり、川崎市の教科書選定は多くの市民が傍聴することで、教科書選定のプロセスが公開されています。

 川崎市には平和館という平和の大切さを学ぶ施設がありますが、見学に行くのは近隣の学校に限られるとのこと。登戸研究所も含め、多くの小中学生が足を運んでほしいものです。

 次世代を担う子どもたちが、正しく歴史を学び、平和に対する関心を持てるような教育がなされるよう、ネットとしてさらに現場の情報を取っていく必要を感じました。